予防歯科

予防歯科

予防歯科について


健康な歯をキープするには、予防歯科が欠かせません。

大人が歯を失う原因の圧倒的1位は歯周病です。歯周病は多くの国民が罹患している国民病とも言われていますが、年齢が上がるにつれて歯周病になる人の割合は増えているのが現状です。健康な人生は、健康な口もとから始まります。痛くなってから歯医者へ通うのではなく、むし歯や歯周病にならないように予防し、お口を健康に保ち続けるという考え方が最近の主流です。
痛くなる前に。歯をきれいに保つために。未来の自分のために。
定期検診やPMTCなどの予防歯科メンテナンスで、むし歯や歯周病を未然に防ぎ、健康な歯を育てましょう。


診療について

予防歯科とは?

予防歯科では、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)と呼ばれる専門的なクリーニングを行います。普段の歯磨きでは取り除くことがむずかしい歯間や歯周ポケット内の歯垢(プラーク)や歯石を、専用の器具を用いて徹底的に除去します。 さらに歯の表面に付着した着色汚れも取り除き、歯の本来の白さを取り戻すことができるクリーニング方法です。

予防歯科はなぜ必要なのか?

定期的に口腔内のメンテナンスを行っていた人と行っていなかった人を比較した統計研究があります。それによれば、定期的に口腔内のメンテナンスを行っていた郡は80歳になった時点で平均で22本の歯が残っていたのに対して、定期的なメンテナンスを行っていなかった郡は7本しか歯が残っていませんでした。定期的な口腔内のメンテナンスは歯を良い状態で残すことにつながり、良い状態が保持できることで結果的に歯科医院への通院を減らすことができます。定期的にメンテナンスを行わなかった人の方が歯の治療箇所が増えて歯科への通院が多くなり、治療費も高くなる傾向にあります。
他にも、機能している歯の残存数が多い人ほど健康寿命が長いことがわかっています。そのほか、歯周病は心筋梗塞や狭心症、動脈硬化、糖尿病、肺炎、認知症のリスクを高めることがわかっています。全身の健康のためにも歯周病予防は大切です。


予防歯科の特徴


定期検診・PMTC(歯石除去・歯面清掃)で健康な歯をキープ

定期検診・PMTC(歯石除去・歯面清掃)で
健康な歯をキープ

予防歯科の基本となるのが、定期的な検診とPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning/歯石除去・歯面清掃)です。 定期検診ではむし歯や歯周病の兆候がないかを細かくチェックし、早期発見・早期治療につなげます。 PMTCは、患者様お一人おひとりのお口の状態に合わせて、自宅でのセルフケアやブラッシングなどを提案いたします。当院で治療を終えられたほとんどの患者様は、引き続き定期検診を受診していただいております。





ブラッシング指導も行います

大切な歯を守るためには、毎日の歯磨きがとても大切です。予防歯科では、患者様の磨き方のクセや歯並びに合わせて、正しい歯の磨き方を丁寧に指導します。おうちでのセルフケアでは、歯ブラシの選び方や歯間ブラシ・フロス・マウスウォッシュなどの口腔ケア用品の使い方がとても大切。正しいブラッシング方法と口腔ケア用品の使い方を覚えることで、健康な状態を維持することができます。





海外では予防歯科が当たり前になっています

スウェーデンとアメリカでは予防歯科への意識が高く、定期的な歯科検診を受ける習慣が浸透しています。一方、日本では「歯医者は歯が痛くなったら通うもの」との認識が強く、諸外国との意識の差をグラフで比べると一目瞭然です。
近年は「8020運動」(80歳になっても自分の歯を20本以上保とうという運動)によって、日本でも予防歯科への関心が高まっています。健康な歯を守り続けるには定期的な検診・メンテナンスが大切。予防歯科でむし歯や歯周病を未然に防ぎ、健康な口もとをキープしましょう。




院長 畑中隆志

はたなか先生のコメント

予防歯科について

歯周病の大きな原因の一つとして歯石があげられます。歯石は唾液中のカルシウムやリンなどのミネラル成分が歯垢に取り込まれて石のように固くなったもので歯肉周囲の歯に付着します。その歯石によって歯の周りの歯肉や歯を支えている骨に炎症が波及してそれらが破壊されていくのが歯周病です。歯肉の炎症によって歯肉が腫れたり出血したりして口臭の原因にもなります。また、歯を支えている骨が歯周炎によって破壊されることで歯の支えが失われて歯がぐらついていき、やがて歯が抜け落ちてしまいます。そのようにして歯が失われて行く病気が歯周病です。破壊された骨はもとには戻らないため、歯周病は予防をおこなうことが重要になってきます。歯周病の大きな原因である歯石を取り除く処置(スケーリング、SRP)を定期的に受けることで歯周病を予防したり、進行を防ぐことができます。3~4か月ごとの歯石除去が効果的と言われていますが、患者さんの口腔内の状況に応じて最適な期間を提案するようにしています。
また、歯に付着したプラーク内の細菌によるバイオフィルムを除去するPMTCという処置をおこなうことでプラーク付着がしにくくなり、歯磨きの効果をあげることもできます。当院では歯石除去とPMTCを両方取り入れて歯周病予防に取り組んでいます。


よくあるご質問


歯周病はどのように予防するのですか?

歯周病を予防するためには、何よりもまずプラークコントロールが不可欠です。
歯の周りに付着したプラーク(歯垢)を除去し、細菌を減らすことで歯周病の進行を食い止めることができます。歯の表面や浅い歯周ポケット内のプラークは、ご自身の毎日のブラッシングによって大体は取り除くことができますが、残念ながら完璧に取り除くことは困難です。
また、歯周ポケットの奥深くに入り込んだプラークは、ご自身で除去できないため、そういったプラークが蓄積すると歯石化し、ますますブラッシングだけで除去することは難しくなります。したがって、歯科医院で定期的に専門的なクリーニングを行う必要があります。
ご自身と歯科医院の相互の取り組みによって、歯周病を予防していきます。

歯周病は何歳くらいから起こりますか?

歯周病は成人してから起こるものと思われていますが、実は歯周炎の前段階である歯肉炎は幼少期から起こります。
ですから、歯が生えた時から歯周病に罹患するリスクがあります。また、歯周炎は初期の段階では痛みなどの自覚症状がほとんど無いために、発見が手遅れになることもしばしばあります。
日本人では実に30歳以上の3人に2人が歯周病と言われています。歯周病を予防するために、毎日の歯みがきと歯科医院での定期検診とクリーニングが重要です。

知覚過敏になるのは予防できますか?

知覚過敏の原因は咬み合わせが関係していることが多いため、咬み合わせ治療で予防することが出来ます。

歯のクリーニングは保険でできますか?

歯のクリーニングは汚れを落としてきれいにすることが目的であり、病気の治療ではないため保険対応になりません。

定期検診・PMTCはどれぐらいの間隔で受ければ良いのですか?

3ヶ月~半年に1回は定期検診・PMTCを受けてください。