入れ歯は、失った歯の代わりとなる大切なものです。しかし、長年使用していると、歯茎や顎の骨の状態が変化したり、入れ歯自体が劣化したりして、合わなくなることがあります。

入れ歯が合わなくなると、痛みや違和感があったり、食事や会話に支障が出たりします。見た目にも影響が出てしまうため、大きなストレスの原因となる場合も。

この記事では、入れ歯が合わなくなったときの症状、合わなくなった原因について解説します。入れ歯が合わなくなったと感じたらどうすれば良いか対処法についても説明します。

痛い

硬いものを噛むと歯茎に痛みを感じる、入れ歯を外すと跡が残っている、こんな場合は入れ歯が歯茎に合っていないかもしれません。とくに噛むときに痛む場合は、無理して硬いものを噛まないようにしましょう。

吐き気がする

固形物を噛むと吐き気がする、入れ歯が奥に当たってオエッとなる場合は、入れ歯が合っていない可能性が高いでしょう。きちんとはまっていない状態かもしれません。

口元にしわができるようになった

入れ歯が合わなくなると、口周りの筋肉が緊張し、口元にしわができます。以前よりも表情が硬くなった、老けて見える、口元に深いしわが増えた、口角が上がりにくくなったなどの自覚症状がある方は、入れ歯が合っていないかもしれません。

発音しにくい

合わない入れ歯だと、舌や唇の動きを妨げ、発音がしにくくなります。とくに、サ行やタ行の発音が難しくなるため、次のような発音になりがちです。

「さようなら」が「しゃようなら」と聞こえてしまう。
「ありがとう」が「あしゃりがとう」と聞こえてしまう。

思うように発音できないと、恥ずかしさがあり、人と話すのが億劫になってしまうことも。自分に合った入れ歯にして、QOLを上げましょう。

外れやすい

入れ歯がしっかりとフィットしていないと、食事や会話中に外れてしまいます。とくに笑ったり、大きな声で話したりすると外れやすい傾向です。そのため。人前で食事をするのが不安になったり、大声で笑うことができなくなったりなど、人との交流が億劫になりがちです。

口内炎ができる

合わない入れ歯を使用し続けると、口腔内壁と擦れて口内炎が繰り返しできてしまいます。さらに、入れ歯が傷に当たるため、口内炎が治りにくくなります。食事や会話の時にも痛さを感じるので、外出や交際の意欲が減退しがちです。

食べ物の味や温度を感じなくなった

入れ歯が舌と歯茎の間に隙間を作ってしまうと、どうしても食べ物の味や温度を感じにくくなります。合わない入れ歯を使用していると、余計に感じてしまうかもしれません。とくに、以前よりも味が薄く感じてしまう、熱いものが熱く感じられない、 冷たいものが冷たく感じられない場合は、入れ歯が合っていないかもしれません。

頭痛や肩こりがひどくなった

入れ歯が合わなくなると、噛み合わせが悪くなり、頭痛や肩こりの原因となります。頭痛がひどい場合は、日常生活に支障が出ることもあるでしょう。慢性的な疲労があり、肩こりがひどくて首が回りにくい場合は、入れ歯が合っているか疑ってみましょう。

歯茎がやせてすき間ができた

歯周病や加齢などで歯茎がやせると、入れ歯と歯茎の間に隙間ができ、合わなくなります。とくに、歯周病が進行している場合は、歯茎のやせ方が顕著です。歯磨きを丁寧にしているのに歯茎から血が出てしまう、歯茎が腫れて赤くなっているなどの場合は、歯周病を疑ってみましょう。

顎の骨がやせてしまった

歯は噛む刺激をあごの骨に伝える役割をしています。歯を失うと、噛む刺激が失われ、骨の新陳代謝が低下します。その結果、骨は徐々に吸収されて痩せていくことに。顎の骨がやせると、入れ歯がしっかりと支えられなくなり、ぐらつきやすくなったり、痛みを感じたりするでしょう。

入れ歯がすり減った

入れ歯は、毎日使用しているうちに、少しずつすり減っていきます。入れ歯がすり減ると、歯茎との間にすき間ができてしまい、外れやすくなったり、噛みにくくなったりします。

汚れが付着している

入れ歯は毎日使用しているうちに、食べかすや細菌などが付着して汚れます。汚れが付着したまま放置すると、歯茎を炎症させるだけでなく、口臭の原因にもなるでしょう。また、汚れのせいでフィット感が失われ、快適に使用できなくなってしまいます。

硬い食べ物を避ける

硬い食べ物は、入れ歯に負担がかかり、破損したり、ぐらつきやすくなったりします。入れ歯が合っていない場合は、柔らかい食べ物を選択するようにしましょう。

入れ歯をきれいにする

入れ歯は毎日、専用のブラシを使って丁寧に清掃しましょう。汚れが溜まったまま放置すると、歯茎を炎症させたり、口臭の原因になったりします。

義歯安定剤を使用する

義歯安定剤は、入れ歯と歯茎の間に隙間ができている場合に使用します。義歯安定剤を使用することで、入れ歯がぐらつきにくくなり、痛みを感じにくくなります。

歯医者で調節・新調してもらう

上記の方法を試しても改善されない場合は、歯医者で調節や新調してもらいましょう。放置したままだと、歯茎を傷つけ、顎の骨がさらに細くなることが懸念されます。

新しい入れ歯を作製する場合は、歯科医としっかりと相談し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。