歯石は自分で取れる?できる仕組みと放置したら起こること
しっかり歯を磨いているつもりでも、いつの間にか歯石ができている…。自分で取りたいけれど、硬くて取れないとイライラしたことはありませんか?
どうして歯石ができるの?
歯石を放置していたら、虫歯になるの?
この記事では、歯石ができる仕組みと放置したときのリスクについて解説します。
歯石とは
歯石について、成分やできる仕組み、つきやすい場所について解説します。
歯垢が石灰化したもの
歯石は、歯磨きで落としきれなかった歯垢が唾液中のカルシウムやリン酸などと結びつき、石のように固くなったものです。歯垢は24時間以内に歯石になってしまうため、毎日の歯磨きが重要です。
歯垢は、細菌とその死骸、食物残渣、粘液などで構成されています。これらが歯の表面に付着し、バイオフィルムと呼ばれる膜を形成するのです。バイオフィルムは、細菌の繁殖力が非常に高いため、放置すると虫歯や歯周病の原因となります。
歯石は虫歯の原因にはならない
石灰化しているため、歯石自体は虫歯の直接的な原因にはなりません。しかし、表面がざらざらしているため、歯垢が付きやすくなります。歯垢は虫歯菌の塊であり、虫歯のリスクを高めてしまうのです。また、歯石の下にも歯垢が溜まりやすく、歯茎の炎症も引き起こします。
歯石がつきやすい場所
歯石がつきやすい場所は、唾液の流れが悪い場所や磨きにくい場所です。具体的には、以下のような場所です。
・歯と歯の間
・歯の根元
・奥歯
・上下の前歯の裏側
以上は、歯ブラシが行き届きにくいため、歯垢が残りやすく歯石がつきやすい代表的な場所といえます。
歯石ができる原因
歯石ができる原因は、以下の3つです。原因の解説とともに対策も紹介します。
磨き残しを放置
歯磨きが不十分だと、歯垢が歯に残留し、歯石になりやすくなります。とくに、歯と歯の間や歯の根元は磨き残しやすいので、注意深く磨きましょう。
また、歯ブラシの選び方も重要です。歯ブラシの毛が硬すぎると、歯茎を傷つけてしまう可能性があるため、普通かやわらかめがおすすめです。歯ブラシの毛が広がりすぎていると、歯垢をうまくかき出すことができません。定期的に歯ブラシを交換しましょう。
さらに、歯磨きの方法も大切です。歯ブラシを小刻みに動かし、1箇所ずつ丁寧に磨きます。歯と歯の間は、フロスやデンタルフロスを使うと効果的です。歯石の原因となる歯垢を溜めないことが予防策となります。
口の乾燥
口が乾燥すると、唾液の量が減少し、歯垢が洗い流されにくくなります。唾液には、抗菌作用や殺菌作用があり、歯垢の繁殖を抑える効果があります。そのため、口が乾燥しやすい人は要注意です。
口が乾燥する原因としては、加齢やストレス、薬の副作用、口呼吸などさまざまです。どうしても口が乾燥するという方は、水分をこまめに摂取して乾燥を防ぐか、ガムを噛んで唾液の分泌を促すなどしましょう。
専門的なクリーニング不足
石灰化してしまった歯石は、歯ブラシのブラッシングだけでは取れなくなります。歯科医院にて専用の器具を使って定期的に除去してもらうのがおすすめです。一般的には、3ヶ月から半年に1回のペースでクリーニングを受けることが推奨されています。クリーニングでは、歯垢もきれいに除去できるため、歯石ができにくい口内環境を整えられるでしょう。
歯石を放置したときのリスク
歯石を放置していると、虫歯・歯周病・口臭などを引き起こします。その理由について解説しましょう。
虫歯
歯石は、歯垢の隠れ家となり、虫歯菌が増殖しやすくなります。虫歯菌は酸を出し、歯のエナメル質を溶かしてしまうのです。また、歯石の表面は、ざらざらしており、さらなる歯垢がつきやすくなり悪循環に陥ります。
歯周病
歯石は歯茎の炎症を引き起こし、歯周ポケットを深めます。歯周ポケットが深まると、さらに多くの歯垢がとどまり、歯茎の炎症を悪化させてしまうのです。
歯周組織の炎症が進むと、歯槽骨が溶け、歯がぐらぐらしたり抜けたりする可能性も。さらに歯周病は、尿病や心臓病のリスクを高めるといわれています。
口臭
歯石があると、口内の細菌や老廃物(歯垢)が付着しやすい状態となります。付着した歯垢が発酵すると、卵や玉ねぎの腐ったようなにおいのガスを発生させ、口臭の原因になります。歯石が原因で歯周病になった場合、歯茎の膿が悪臭を引き起こすこともあります。
歯石取りは保険が適用されます
歯石取りは、一般的に保険の適用範囲です。定期健診をし、歯石を除去してもらいましょう。歯石は虫歯の直接的な原因にならないものの、放置すれば虫歯や歯周病にかかりやすくなり、健康にも悪影響です。ぜひ、定期的なクリーニングで、お口の健康を維持していきましょう。