多くの人が悩む「出っ歯」。見た目だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。また、見た目にも大きく影響をおよぼすため、コンプレックスを感じている方も少なくないでしょう。

この記事では、出っ歯の原因、弊害、治療方法について詳しく解説します。出っ歯にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

両親や祖父母に出っ歯の方がいる場合、遺伝的に出っ歯になりやすい傾向があります。
上顎の骨が大きすぎる、または下顎の骨が小さすぎる、前歯が大きいなど、もともとの骨の大きさや位置が原因で出っ歯になります。遺伝的な要因は、全体の3～4割程度といわれており、自然に治ることはありません。

口周りの癖

指しゃぶり、唇を噛む、舌で歯を押すなどの癖があると、出っ歯になります。これらの癖は、物理的に指や舌で上の歯を押し出す力を加えるため、前歯を前方に傾かせてしまうのです。ほかにも、爪噛み、食べ物を飲み込むときに下で前歯を押すなども出っ歯の原因となります。

やわらかいものばかり食べている

やわらかいものばかり食べて、奥歯で噛む習慣がないまま成長すると、顎の骨が十分に発達せず、出っ歯になる危険性があります。歯の真ん中よりも前方で噛む癖がつき、舌の位置が常に前側になってしまうためです。また、下向き加減で食事をしていると、奥歯を使うことがなく、舌を奥歯付近まで動かす筋肉も発達しません。

口呼吸

歯並びは、舌が前歯を押す力と口周りの筋肉が歯を締める力のバランスによって成り立っています。口呼吸をしていると、口周りの筋力が弱まり、その結果、歯を押さえつける力が弱まってしまいます。前歯は舌の圧力に負け、前のほうへ押し出されてしまうのです。

加齢

加齢とともに、歯槽骨が減少し、前歯が出てくることがあります。また歯周病の進行や歯のすり減りも出っ歯の原因に。これは、歯周病により歯茎が痩せ、噛み合わせが変化することで、特定の歯に嚙む力が集中した結果、歯並びに影響するためです。

虫歯や歯周病

出っ歯のように歯並びが悪いと、歯磨きが難しくなり、歯垢や歯石が溜まります。また、出っ歯は口が閉じにくく、口の中が乾燥しがちです。乾燥や唾液の分泌が不十分だと、虫歯菌の増殖が促されます。その結果、出っ歯は虫歯や歯周病になりやすいといえるでしょう。

肩こりや頭痛

噛み合わせが悪いと、顎の筋肉に負担がかかり、肩こりや頭痛を引き起こすことがあります。
前歯をあまり使えないため、奥歯に負担がかかり、筋肉が緊張した状態が続くためです。

口臭

出っ歯だと、口を閉じにくく口のなかが乾燥しやすくなります。すると唾液の自浄作用が低下し、たんぱく質を分解する細菌が増えます。唾液には菌の活動を抑制する作用もあるため、乾燥により菌が活発となり口臭も濃縮されてしまうのです。

見た目へのコンプレックス

出っ歯が気になって、人前で笑ったり話したりすることが億劫になることがあります。出っ歯は、鼻下から唇までの長さが強調されてしまい、面長の印象となります。矯正治療すると、口元の印象が大きく変わるでしょう。

滑舌の悪さ

発音がしにくくなり、滑舌が悪くなることがあります。とくに上前歯内側の付け根に舌をつけて発音する「ら行」や空気を出して発音する「さ行」の発音が苦手な方が多いようです。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯にブラケットとワイヤーを装着し、強い力をかけて歯を移動させる方法です。歯全体に力をかけるため、重度の出っ歯の治療に適しています。歯を抜いて矯正する場合には、ワイヤー矯正が選択されます。

インビザライン

インビザラインは、透明なプラスチック製のマウスピースを装着し、少しずつ歯を移動させる方法です。ワイヤーやブラケットを使用しないため、見た目に影響がなく、歯を磨きやすいのが特徴です。軽度であれば、数か月から1年程度で治療が完了します。とくに成長期の子どもや若者の治療に適しています。