口臭は誰にとっても気になる問題ですよね。自分では気づきにくいため、家族に指摘されて初めて意識したという方も少なくないでしょう。口臭が気になって、友人との会話が楽しめなかったり、大きな口を開けて笑えなくなったりする方もいらっしゃいます。

誰もが気にする口臭の原因は、さまざまです。この記事では、口臭の原因と対処方法について詳しく解説します。口臭を改善したいと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

病気による口臭の原因は、次のようなものがあります。

消化不良

胃腸の調子が悪いと、食べ物がうまく消化されずに腐敗臭が発生します。胃酸不足や胃潰瘍なども消化不良の原因となります。

肝機能低下

肝臓の機能が低下すると、アンモニアなどの有害物質が体内に蓄積され、それが口臭の原因となります。肝機能が低下する原因に肝炎や脂肪肝があります。

糖尿病

糖尿病になると、血液中の糖度が高くなり、口臭の原因となるケトン体が発生します。糖尿病は生活習慣病の一つであり、食事や運動、服薬などの治療が必要です。

腎臓病

腎臓の機能が低下すると、尿素などの老廃物が体内に蓄積され、症状のひとつとして口臭が発生します。腎臓で排出しきれなかった尿素が血液とともに全身を循環し、肺から呼気として排出されるためです。腎臓病は高血圧や糖尿病などが原因で発症することが多い病気です。

口の中に原因がある場合は、おもに次のような原因があります。

ドライマウス

唾液の分泌量が減ると、口の中の細菌が繁殖しやすくなります。微生物が出す物質は、口臭の原因となるため、よく噛むなど唾液を出すよう工夫しましょう。ドライマウスの原因には、加齢、薬の副作用、ストレスなどがあります。

舌の汚れ（舌苔）

舌苔は細菌の塊で、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物 (VSC) を発生させます。舌苔ができる原因は、口呼吸や加齢、喫煙などです。

歯の汚れ（プラーク）

歯垢は細菌の塊で、揮発性硫黄化合物（VSC）を発生させ、虫歯や歯周病の原因にもなります。VSCは、口腔内の細菌がたんぱく質を分解する過程で生成されるガスで、悪臭を引き起こします。そのにおいは、生ごみや卵の腐敗臭に似ているそうです。また、義歯が正しく装着されていないと、義歯の下に汚れが溜まり、口臭の原因となる場合もあります。

口内炎

口内炎ができると、炎症や細胞の壊死が進行し、細菌の繁殖が促進されます。すると口臭の原因となる揮発性硫黄化合物が発生し、口内環境が悪化。そのせいで治癒が遅れることもあります。口内炎は、ビタミン不足、ストレス、疲労などが原因です。

ガスクロマトグラフィー

口臭の原因となるVSCを分析する検査です。この検査では、気体や液体の化合物を分解し、口臭の原因となるおもな物質を特定できます。口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物の濃度を測定し、適切な治療法を選択するのに活用しています。

官能試験

歯科医が患者さんの口臭を嗅ぎ、原因を判断する検査です。この検査は、主観的な評価となるため、ガスクロマトグラフィーと併せて行うことが望ましいでしょう。必要に応じて、血液検査を行うこともあります。

丁寧にブラッシングする

口腔内の原因物質である、歯石や舌苔をブラッシングで除去しましょう。歯間ブラシやデンタルフロスも併用すると効果的です。マウスウォッシュには殺菌作用や消臭作用があるため、口臭予防効果があります。

よく噛んで唾液を出す

唾液には、口臭の原因となる細菌を洗い流す効果があります。食事を一口食べるごとに20回以上噛み、ゆっくり食べましょう。耳の前下方にある耳下腺を円を描くようにマッサージすると、唾液腺が刺激され唾液分泌量アップに効果的です。

病気を治療する

病気が原因の場合は、その病気を治療することが重要です。消化不良の場合は、胃腸薬を服用したり、生活習慣を改善したりなど、しっかり治療に取り組みましょう。病状に合わせた食事療法や薬物療法があるため、医師の診察と適切な治療を受けましょう。

定期的に歯科検診を受ける

定期的に歯科検診を受ければ、虫歯や歯周病などの早期発見・早期治療につながります。少なくとも、口の中が原因の口臭は予防・改善できるでしょう。