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前歯が閉じない(開咬)のはなぜ?原因と治療方法とは

前歯がしっかりと噛み合わず、隙間が開いてしまう状態を「開咬(かいこう)」といいます。見た目だけでなく、食事や発音、呼吸などにも影響を与えるため、早めの治療がおすすめです。

この記事では、前歯が閉じない状態(開咬)の原因やデメリットについて詳しく解説します。治療についても紹介するので、開咬が気になっている方は参考にしてください。




前歯が閉じない(開咬)とは


前歯が閉じずに隙間が空いてしまう状態を開咬(かいこう)といいます。上下の前歯がしっかりと噛み合わず、隙間が開いてしまう状態です。この隙間は、数ミリから1cm程度のものまでさまざま。開咬は、軽度のものから重度のものまであり、見た目以外に、食事や発音、呼吸などにも影響を及ぼします。

開咬の状態の方には、以下のような特徴が見られるでしょう。

  • 前歯で食べ物を噛み切るのが難しい
  • 口を開けっ放しにしていることが多い
  • 口呼吸をしている
  • 顎関節が痛い
  • 発音が不明瞭
  • 唇を閉じにくい
  • 笑った時に前歯が見えてしまう

デメリットも多いため、適切な治療が必要をおすすめします。




前歯が閉じない(開咬)の原因

開咬の原因は、おもに以下の5つが挙げられます。


指しゃぶりの習慣

幼少期に長期間指しゃぶりを続けると、前歯に力が加わり、前方に突出してしまいます。とくに、指を強く吸ったり、長時間吸ったりする癖があると、開咬になりやすいでしょう。3歳ごろになると、自然に指しゃぶりの癖が落ち着いていくといわれていますが、4歳以降も続いている場合は注意が必要です。


舌の癖

舌を前歯方向に押し出す癖や、舌を突き出す癖があると、前歯が前に傾いてしまいます。とくに、嚥下(えんげ)する際に舌を前歯方向へ押し出す癖があると、開咬になりやすいでしょう。この癖は、赤ちゃんによく見られますが、成長とともに自然に治ります。しかし、小学生低学年になっても癖が長引くと、永久歯に生え変わる際に開咬になる可能性が高いでしょう。


口呼吸

口呼吸が習慣化すると、口の中が乾燥しやすくなり、舌の位置が前方に移動しやすくなります。これが開咬の原因となるのです。また、鼻炎や扁桃肥大などの病気、アレルギーなどが原因で口呼吸が起こりやすいため、口呼吸を治すためには、先に鼻炎などの治療が必要でしょう。また、頬の筋肉が弱いと、口を閉じにくくなり、口呼吸になりやすいといわれています。その場合は、口周りの筋肉を鍛える運動がおすすめです。


遺伝

顎の骨格や歯並びの異常が遺伝的要素により起こる場合もあります。家族の中に開咬の人がいる場合は、開咬になりやすいといえるでしょう。




前歯が閉じない(開咬)と生じる問題

開咬があると、以下のような問題やデメリットがあります。



胃腸への負担

食べ物をしっかりと噛み切れないため、胃腸への負担が大きくなります。食べ物が十分に消化されないと、胃痛や便秘、下痢などの症状を引き起こすことも。また、前歯で噛めないため奥歯への負担が大きくなってしまいます。しっかり噛むためには、歯列矯正により前歯で噛めるようにする必要があるでしょう。



顎関節症のリスク

噛み合わせが悪いと、顎関節に負担がかかり、顎関節症のリスクが高くなります。顎関節症になると、顎が痛い、口が開けにくいなどの症状が現れます。



発音や滑舌への影響

交叉咬合は、顎関節に負担をかけ、顎関節症を引き起こす可能性があります。バランスの悪さが頭痛や肩こりを引き起こす原因となります。また、顎関節の痛みや開口障害などを引き起こし、食事や会話にストレスや不便を感じるかもしれません。顎関節症が進行してしまうと、顎が動かなくなってしまうこともあります。



虫歯や歯周病のリスク

開咬で口が閉じにくいと、口の中が乾燥して菌が増殖します。その結果、虫歯や口臭のリスクが高まるでしょう。乾燥するとウイルス感染を起こしやすく、風邪をひきやすくなります。



見た目のコンプレックス

開咬の人は、口を閉じていても歯の間から舌が見える、笑ったときも口元が引きつりやすい、口元が歪んで見えるなど、見た目の不自然さを感じさせてしまいます。また、前歯の部分が上下に開いてしまうため、顔が長く見えがちです。




開咬の治療方法

開咬の治療方法は、原因や症状の程度によって異なりますが、おもに以下の3つがあります。



外科手術

顎の骨格が原因の場合は、外科手術で顎の骨を切断・移動させて治療を行います。下顎の形態や位置など骨格的な原因が大きい場合は、治療として保険診療が可能です。



歯列矯正

歯並びが原因で開咬の場合は、歯列矯正装置を用いて歯を移動させて治療を行います。歯列矯正方法として、マウスピース型とワイヤー・ブラケット型のふたつが一般的です。治療期間は、開咬の程度によって違い、軽度の場合は数か月、重度の場合は2年~3年かかります。



口周りの筋肉トレーニング

舌や口周りの筋肉のバランスや舌の癖が原因で開咬の場合は、口周りの筋肉トレーニングにより改善しましょう。この治療法は、ほかの治療法と併用して行われることもあります。




開咬を治療するとメリットがいっぱい


開咬を治療すると、以下のようなメリットがあります。

  • 食べ物がしっかりと噛み切れるようになる
  • 胃腸への負担が軽減される
  • 顎関節症のリスクが減る
  • 発音や滑舌が良くなる
  • 虫歯や歯周病のリスクが減る
  • 見た目が良くなる
  • コンプレックスが解消される

開咬は、見た目だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けましょう。前歯が閉じない(開咬)でお悩みの方は、ぜひ当院に、ご相談ください。


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