口を開けると音がする…これって顎関節症?チェック方法を紹介
口を開けると「カクカク」と音が鳴ったり、口が大きく開けられなかったりなどの症状でお悩みの方はいませんか?
もしかしたら、それは顎関節症かもしれません。
顎関節症とは、顎関節やその周辺の組織に異常が生じることで起こる病気です。原因はさまざまですが、近年ではストレスや生活習慣などが関係していると考えられています。
この記事では、顎関節症の症状、確認方法、治療方法などを詳しく解説します。ご自身の症状に当てはまるものがあるか、ぜひチェックしてみてください。
顎関節症とは
顎関節症について、症状や確認方法について解説します。
顎関節症の症状
顎関節とは、耳の穴の前にある関節です。
この関節は、上下の顎の骨をつなぎ、口を開閉したり、咀嚼したりする際に重要な役割を果たします。
顎関節症は、この顎関節やその周辺の組織に異常が生じることで起こる病気です。
主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 口を開けると音が鳴る
- 口が大きく開けられない
- 顎が痛い
- 顎がカクカクと動く
- 咀嚼時に痛みを感じる
- 顔の筋肉が痛い
顎関節症を放置すると症状が悪化したり、全身に影響が出たりすることがあります。早めの診断と治療が大切です。
顎関節症の確認方法
顎関節症を確認するには、セルフチェックと歯科医院での診察といった方法があります。
セルフチェックでは、口を開けると音が鳴る、口が大きく開けられない、顎が痛いなどの自覚症状があるかを確認しましょう。顎がカクカクしたり、咀嚼時に痛みを感じたりする場合も顎関節症の可能性があります。
歯科医院では、医師による診察と機器による検査を受けます。
- 問診
- 顎関節の動きや痛みなどの検査
- レントゲン撮影
- MRI検査
セルフチェックではわからない部分を触診やレントゲン撮影で確認してもらいましょう。
顎関節症になりやすいケース
以下の項目に当てはまるものがあれば、顎関節症の可能性があります。いくつか当てはまる場合は、特に注意が必要です。
- ストレスが多い
- 歯ぎしりや食いしばりをする
- 頬杖をつくことが多い
- 硬いものをよく噛む
- 片側でばかり噛む
- 歯並びが悪い
- スポーツや音楽を長時間行う
これらは顎関節症の原因になるものばかりです。詳しい内容について次で解説します。
顎関節症の原因
顎関節症の原因はさまざまです。おもな原因を紹介します。
歯ぎしり・食いしばり
睡眠中に歯ぎしりしたり、食いしばったりすることで、顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こします。無意識のうちに行っているため、なかなか気づきません。しっかり寝たはずなのに顎周りや首回りが疲れている、肩こりがする、奥歯がすり減っているなどの症状がある場合は、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりを疑いましょう。ストレス過多になると、起きている間も食いしばりが起き、顎関節症を引き起こします。
噛み合わせ
上下の歯の噛み合わせが悪いことで、顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こします。片方ばかりで噛む癖がある場合も、顎の筋肉の左右バランスが悪くなり、関節に負担をかける結果となります。
頬杖(ほおづえ)
長時間頬杖をつくことで、顎関節に一方的な負担がかかります。頬付けは、顔のゆがみを引き起こし、歯並びへの影響もあります。顎のバランスが悪くなった結果、関節にも悪影響をおよぼすのです。
睡眠中の状態
うつ伏せ寝や横向きで長時間同じ姿勢で寝ることで、顎関節症を引き起こします。頭の重さは4~5kgあり、それが顎関節にかかってくるためです。また、成長期の子どもは、歯が動きやすいため歯並びにも悪影響です。
スポーツや音楽
バイオリンやビオラなど、頬で支えて演奏する楽器は、顎関節にとって大きな負担です。
また、ラグビーやアメリカンフットボールのようなコンタクトスポーツも、顔への衝撃が顎関節に影響を与えます。野球のピッチャー、やり投げ、剣道など、あらゆるスポーツにおいて、歯を食いしばる瞬間があり、顎関節への負担はかなりのものです。スポーツや音楽に熱心に取り組み方は、顎関節症になる危険性が高いといえます。
顎関節症の治療方法
顎関節症は、放置すると症状が悪化したり、全身に影響が出たりします。
ここでは、一般的な治療法を紹介します。
自然治癒
軽度の顎関節症であれば、自然治癒することもあります。
生活習慣を改善することで、症状が改善されることもあるでしょう。生活習慣の改善例は以下のとおりです。
- 十分な睡眠をとる
- うつぶせ寝をしない
- ストレスを溜めない
- 左右の奥歯を使って咀嚼する
- 歯ぎしりや食いしばりをしない
- 正しい姿勢を保つ
- 頬杖をしない
- 硬いものを食べない
今まで顎関節に負担を与えていた習慣を避け、リラックスできるようにしましょう。
マッサージ
顎関節周辺の筋肉をマッサージすることで、血行を促進し、筋肉の緊張を緩和しましょう。セルフで行うこともできますが、歯科医院でマッサージしてもらえる場合もあります。
運動療法
顎の運動やストレッチは、顎関節の可動域を広げ、筋肉の緊張を緩和する効果があります。歯科医院で指導を受けられる場合もあるので、相談してみましょう。
理学療法
超音波治療や電気治療など、理学療法機器を用いて治療を行います。炎症を抑え、痛みを軽減できるでしょう。
スプリント
マウスピースを装着することで、顎関節にかかる負担を軽減し、症状を改善できます。とくに睡眠時の歯ぎしりや食いしばりに効果的です。
顎関節症で悩んでいる方はご相談ください
顎関節症でお悩みの方は、ぜひ歯科医院を受診してください。
歯科医師が症状を詳しく検査し、適切な治療法を提案します。顎関節症でお悩みの方は、一人で悩まず、当院へぜひご相談ください。